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グリコーゲンローディング

 骨格筋におけるグリコーゲンの貯蔵量と筋肉の持久力には高い相関性があることが知られている。

短時間で疲労困憊に達するような強い運動では、筋グリコーゲンの枯渇が運動の制限因子にはならない。しかし、長時間にわたる持久的競技においてグリコーゲンの枯渇は、選手にとって競技を継続する上で一番の問題となる。マラソンなどの持久的競技の場合には、炭水化物量をコントロールした食事とトレーニングを組み合わせることで、試合前に筋や肝臓のグリコーゲン貯蔵量を高めておくことが行なわれている。これをグリコーゲンローディングという。
 運動によって筋肉中のグリコーゲンが枯渇すると、運動後にグリコーゲンの再合成能が高まり、筋グリコーゲンに過補償が生じる。つまり、運動前よりも筋グリコーゲン量を多く蓄えることができるようになる。
 一般にはSherman/Costill法が推薦されている。これは、70〜75%VO2maxの運動強度で、運動負荷時間を徐々に短縮していくテーパリング法に、期間の前半(大会6日前から3日間)は50〜55%炭水化物食、後半(残り3日間)は60〜70%炭水化物食を摂取するもので、この方法でもグリコーゲンを枯渇させる方法と同じ程度の筋グリコーゲンの過補償が得られる。
 糖質の種類としては、スポーツ飲料などに含まれているグルコースポリマーやデキストリンなどの方が、他の糖類に比べて効果的にグルコース再合成を促すと報告されている。また一方で、高炭水化物食を摂取する際には、単糖類のみよりもパスタや米などのでんぷん食の方が筋グリコーゲン蓄積量が高くなる。摂取する炭水化物の種類はなるべく偏らず、単糖類や二糖類、でんぷんを組み合わせて摂るのが適当であろう。
 グリコーゲンローディングの効果には性差があるという報告もなされている。男性はグリコーゲンローディングにより筋グリコーゲンが増加し、競技パフォーマンスに対する効果が顕著に認められるが、女性の場合、同様の方法では筋肉のグリコーゲンは上昇せず、パフォーマンスにも効果が現れなかった。グリコーゲンローディングの効果には、競技種目、性差、食習慣など様々な因子がかかわっている。それぞれの運動競技選手に見合った適正なグリコーゲンローディングがなされるべきであろう。
                          トレーニング生理学(杏林書院)より

 

author:潤 昭治(うるう しょうじ), category:エクサ&トレ理論, 16:13
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